もののけ姫は怖いしグロい?人間ともののけの共存のメッセージ性が強い?
「もののけ姫」はジブリを代表する作品の一つですが、
子供の時に初めて見て怖いと感じた方も多いと思います。
また「もののけ姫」はかなり奥が深く、宮崎駿のメッセージ性の強い作品であると感じました。
なので今回はジブリ作品「もののけ姫」の怖さと、人間ともののけの共存のメッセージ性について深掘りしていこうと思います。
グロテクスなシーンが多く怖い
作品序盤でタタリ神になってしまったナゴの守が登場します。
始まっていきなり気持ち悪いシーンを挟んできましたね。
画像のような生物(タタリ神)が主人公であるアシタカや追いかけ回したり、エミシの村を襲おうとするのです。
全身ウニョウニョしたもので覆われており、本来ナゴの守は見た目普通のイノシシですが原型をとどめていませんね。
しかしこのタタリ神は主人公に殺される前に腕に傷を負わせたことで話が進展していくので、重要なキャラクターの1人でもあります。
次に迎えるグロテスクなシーンは、
アシタカがタタリ神に呪われた腕で矢を放ち腕は首を飛ばすシーンが描写されています。
タタリ神の力が加わり本来弓で首を落とせるはずがないのにも関わらず、首や腕を切り落としており主人公であるアシタカ本人も驚いていました。
タタリ神の力は、すべての命に対しての恨みや憎しみといったものの塊ですから、その力を宿した矢は、簡単に命を奪えるほどの力を持ったものと考えられますね。
そして私が一番怖いと思ったのは、シシ神様が銃で撃たれるシーンです。
元々少し顔が怖いシシ神様ですが、
エボシ御前に銃で頭を撃たれた際、
一瞬このような顔の変化を見せたのです。
もう、怖いというよりかは不気味ですよね。
そしてこの後にシシ神様を守っていた乙事主とモロの命を奪うのです。なんとクレイジーな神なんでしょう笑
こんな感じで、子供向けのアニメ映画というよりかは大人向けの映画であると思います。
監督である宮崎駿さんも元々映画を子供向けに制作しているわけではないと公言しているので、グロテスクな描写も含んでいるんですね。
人間ともののけの共存のメッセージ性が強い
自然と人間との関係性についてナウシカで表現できなかったところを強烈にした作品だと感じました。
更に人間が生きることで生じる圧倒的な不条理がわかりやすく表現されていましたね。
その状況は現代でも変わりませんし、共通しています。
・アシタカ・・・人間と自然の関係をつなぐ役割。サンの気持ちを理解しながら、人間世界にとどまり見守り、争いを阻止しようとする。
・サン・・・自然の代表。
・エボシ・・・現代の人。新しい時代を切り開く人、売られた娘や病人を救う善人だが自然からすると敵。
・ジコ坊・・・人間くささを表現する代表。金、物欲、あらゆる人間的欲望の象徴。サンと対照的に描かれている。
メインキャラクターの立場はこのようになっていますが、
自然の中でも『山犬・イノシシ・猩々(しょうじょう)』の3つの主張や立場の違いがあり、
人間の中でも『タタラ場・侍・唐傘衆』の3つの立場があり同じ人同士でも争いが起こります。
この作品はキャラクターの分だけ対立があると言っていいほど、対立があるのです。
作品終盤では戦いの末腕をとられたエボシが、不条理を抱えながらも、立ち上がり生きていこうとする姿に生きる希望が表現されています。
昔から自然と人間との戦いはありますが、色々な不条理や問題を抱えながらもエボシのようによりよい時代になるように軌道修正しながら生きていってもらいたいというメッセージだったと思います。
まとめ
・グロテスクなシーンが多く子供向けな作品ではない
・人間ともののけの共存についてのメッセージ性が強い